読書百景
紙の本、電子書籍、オーディオブック、点字…本の味わい方は人それぞれ。これからの読書のありかたや、読書バリアフリーに関する話題を発信します。
本連載は、上海在住経験があり、民主化デモが吹き荒れた香港のルポルタージュなどをものしてきた西谷格氏による、中国・新疆ウイグル自治区の滞在記です。少数民族が暮らす同地は、中国当局による監視が最も厳しい地として知られています。
ご自身の経験や研究に基づく作品を中心にアップしています。
編集者のつぶやき、ぼやきを中心に綴っています。
ルポルタージュや調査報道など、取材を伴う作品を中心にアップします。
ディスレクシアは 「見えない障害」 筑波大学大学院で学ぶ堀口里奈さんは、読み書き障害と聴覚過敏を抱えながら、自身の学びと研究に向き合う大学院生だ。現在、25歳の彼女は、特に英語やカタカナに対する読み書きの困難を抱えている。 「文字を読むことに負荷を感じます。特にカタカナとアルファベットは読みにくく、文字を追うだけで疲れてしまうことが多いです」 彼女のこの読み書きの困難は、高校2年生のときに「読み書き障害」(ディスレクシア)と診断されるまで、周囲からは認識されていなか
サラッと言われた「幹事をやってくれるのはA型だよ!」にウンザリ 人間って、つくづく分類するのが好きな生き物だと思います。性別、年齢、人種、出身地、星座、干支(えと)などなど……。挙げればキリがないほど、ありとあらゆることを分類し、しかも、勝手にこうだ! と決めつけがち。 例えば、「だよね!? 女子校出身だと思った!」「ひとりっ子はわがままだから」なんて会話、聞いたことある人、多いんじゃないでしょうか。こんな感じで、人間をグループごとにサクッと分けられたら、ある意味、便
◆今月の一首 リズムキープリズムチェンジの鮮やかにフーディーのなか揺れるからだは 喧嘩とチンゲとクソにまみれた健気な奴ら 「はじめまして、〇〇です。02です」 「〇〇です。09です。中学生です」 「〇〇です。07です。高校生です」 伏見サイファーのラインオープンチャットの参加者の数字を見て一瞬意味がわからなくなり、ややあって納得した。2002年生まれ、2009生まれ、2007年生まれだ。こんなところで1987年生まれなんて書いたら昭和の遺物みたいなものだろう。薄々感
口に違和感で「口腔がん」、ドキドキすれば「心臓が痛い」で疲れ果て…… 私たちの不安をあおる行為のひとつに「検索」があります。今はスマホがあれば、わからないことも一発回答という時代。画面の中は“専門家”であふれていますから、頼りたくなるのも無理はありません。けれども、その行為が“不安沼”にハマり込むキッカケと化すことがあるのです。 高校生のときに実のお母さんをがんで亡くした桃子さん(当時39歳)の話をしましょう。桃子さんの胸には今でも消えない寂寥(せきりょう)感があるそう
心と心が繋がっている 食事を終えると、外で話そうと提案された。食事代は私が奢ることにして、店を出た。ちょうど歩道にテラス席があった。午後の日差しは強烈だが、パラソルの日陰がある。 「新疆っていうのは、面白い場所なんだ」 そう言って、彼はテーブルの真ん中を指差しながら地理の講義をしてくれた。 「ここから一番近い海は太平洋ではなくインド洋。上海までは3500キロもあるし、北京も3000キロ。でも、300キロも走れば中央アジアの国々に出られるんだ。そして、西へ3000キ
更年期世代の不調は制御できないからやっかい ある日、施術中の菊乃さん(48歳)が苛立ちを抑えきれないといった様子で語り出しました。 「礼儀知らずが多過ぎです!」 聞けば、ここ最近、立て続けに挨拶を無視される出来事が重なったそうです。 仕事先の後輩に挨拶を返さない人がいるらしく、その人を見るだけでイライラが募るといいます。他にも、通い出したヨガ教室のロッカールームでも挨拶をしない人に遭遇したとかで、「あり得ない!」と怒り心頭のご様子です。 菊乃さんの症状は肩こ