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鈴木成一と本をつくる#3 「感性を磨け。自分が喜ぶものに触れよ」
イラストとタイポが殺し合わないために 梅雨の湿気と連日の猛暑にうんざりな7月上旬だったが、この日は若干暑さが和らいだように感じる。前夜に続き、下北沢の本屋B&Bでは鈴木成一による「超実践 装丁の学校」が開かれた。
今夜は「ラフ講評」後半戦だ。初回講義からわずか2週間余りだったが、どのプランにも試行の跡と、自信の一端が刻まれていた。それに対して鈴木は真摯な批評と的確なアドバイスを打ち返し、発
鈴木成一と本をつくる#2 「デザイナーには勇気も人徳も必要である」
くちびるを固く結びながら「このデザインは買うに値するのか?」
「イラストとタイポ(グラフィ)が殺し合ってるよ」
「これじゃ、わけがわからないと思うな」
受講生たちの装丁案が次々と講評されていく。その批評は端的で鋭い。前回授業から2週間、受講生たちが愚直に課題作品『誘拐ジャパン』(横関大・著)と向き合い、練り上げられたデザイン案が丸裸にされていく。その光景に、取材者の私までたじろいでしまう。もし
佐木理人さん「障害は“持つ”か、“ある”か」ルポ 読書百景 #3後編
点字毎日の記者である佐木理人さんが、毎日新聞社に入社したのは2005年のことだった。高校を卒業後、一浪して外国語大学で英語の文法を専攻した佐木さんには、研究者の道に進みたいと考えていた時期もあった。だが、大学院の修士課程でその道は諦め、社会に出てからは障害者の地域生活を支援するカウンセラーや、大学・専門学校で点字の授業の講師をするようになったという。(取材/文・稲泉連、撮影・黒石あみ)
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