読書百景

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小学館学芸チームのWEBメディア「読書百景」|紙、電子、点字、オーディオブックなど、本の味わい方は人それぞれ。これからの読書のかたちを提案します|ノンフィクション、エッセイのほか新刊情報も|毎週月曜更新|お問い合わせ→http://p.sgkm.jp/dokushohyakkei

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記事一覧

編集日誌 #5 装丁なんてそんなもの?

 特別な用事がない限り普段は訪れない下北沢は、降り立つ度に装いがかわっています。再開発が加速度的に進んでいる。とはいえ2ヶ月ほどの間に、打ち合わせを含めると10回…

読書百景
1か月前
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鈴木成一と本をつくる#5後編 「叩かれれば叩かれるほど鍛えられていく」

タイトルは発明である  この夏の東京は、強烈な雷雨に見舞われることが多かったが、この日も例外ではない。講義中には屋根を叩く雨音と、壁と床を揺らす雷の振動が、会場…

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1か月前
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鈴木成一と本をつくる#5前編 「みなさんの装丁をいろいろイジりたおしてきましたけど」

ついに最終授業!  30年以上にわたって1万冊超の本を装丁してきたブックデザイナー・鈴木成一による「超実践 装丁の学校」がついに最終授業を迎える。全5回の学び舎が始…

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1か月前
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村上千佳(助産師)×コンゴ「豊穣な大地ゆえに人びとは血を流す」紛争地の仕事 #3前編

全派遣18回  彼女は取材場所に、着物姿で現れた。  2024年7月上旬、国境なき医師団(MSF)のオフィス。村上千佳は、クリーム色の生地に、繊細な糸が描く大柄の蒼い花が…

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1か月前
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水谷竹秀「なぜ遺族の肉声を伝えなければならないのか」 叫び リンちゃん殺害事件の遺族を追って #3

インタビューは滞る 「私の娘は殺されました」  目の前にいる人がそんな過去を持っていたら、どんな言葉を掛けたらいいだろう。  ハオさんとの出会いを機に、遺族感情…

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1か月前
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アンナ・ツィマ「東京塔」ニホンブンガクシ 日本文学私 #4

ここは昭和?  私は東京タワーを一度だけ見物したことがある。それは2010年の7月、初めて来日した頃だった。東京スカイツリーはまだ竣工しておらず、どんなガイドブック…

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1か月前
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編集日誌 #5 装丁なんてそんなもの?

編集日誌 #5 装丁なんてそんなもの?

 特別な用事がない限り普段は訪れない下北沢は、降り立つ度に装いがかわっています。再開発が加速度的に進んでいる。とはいえ2ヶ月ほどの間に、打ち合わせを含めると10回弱も訪れると、ちょっとは街に馴染みが出てきます。

 ブックデザイナーの鈴木成一さんによる「装丁の学校」が8月7日に最終授業を迎えました。作家・横関大さんの新作『誘拐ジャパン』のカバー案を題材に、実践形式で教えるワークショップです。

 

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鈴木成一と本をつくる#5後編 「叩かれれば叩かれるほど鍛えられていく」

鈴木成一と本をつくる#5後編 「叩かれれば叩かれるほど鍛えられていく」

タイトルは発明である

 この夏の東京は、強烈な雷雨に見舞われることが多かったが、この日も例外ではない。講義中には屋根を叩く雨音と、壁と床を揺らす雷の振動が、会場の緊張感をいやおうなしに高めていく。

 初回講義で『誘拐ジャパン』のテーマを「みんなが共犯者」と喝破したのは小守いつみであった。本作の担当編集である柏原航輔も、この言葉を「読んでるあなたも共犯者」と言い換えてオビに採用したほどだ。

 

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鈴木成一と本をつくる#5前編 「みなさんの装丁をいろいろイジりたおしてきましたけど」

鈴木成一と本をつくる#5前編 「みなさんの装丁をいろいろイジりたおしてきましたけど」

ついに最終授業!

 30年以上にわたって1万冊超の本を装丁してきたブックデザイナー・鈴木成一による「超実践 装丁の学校」がついに最終授業を迎える。全5回の学び舎が始まったのは6月24日のことであった。

 15人の受講者たちは、小説家・横関大が今秋刊行する予定の小説『誘拐ジャパン』のゲラを読み、その装丁案を提出。鈴木の講評を受けて、ほぼ隔週で開かれる次回授業までにブラッシュアップするという過酷な

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村上千佳(助産師)×コンゴ「豊穣な大地ゆえに人びとは血を流す」紛争地の仕事 #3前編

村上千佳(助産師)×コンゴ「豊穣な大地ゆえに人びとは血を流す」紛争地の仕事 #3前編

全派遣18回

 彼女は取材場所に、着物姿で現れた。

 2024年7月上旬、国境なき医師団(MSF)のオフィス。村上千佳は、クリーム色の生地に、繊細な糸が描く大柄の蒼い花が散りばめられた着物をまとい、翠の紋紗を羽織っていた。村上と初めて出会ったのは15年ほど前になる。対面で会うとなると、今日で5回目くらいだろうか。そのたびに村上の和服姿を目にしてきた。梅雨を清々しく表現しているような色合いに、思

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水谷竹秀「なぜ遺族の肉声を伝えなければならないのか」 叫び リンちゃん殺害事件の遺族を追って #3

水谷竹秀「なぜ遺族の肉声を伝えなければならないのか」 叫び リンちゃん殺害事件の遺族を追って #3

インタビューは滞る

「私の娘は殺されました」

 目の前にいる人がそんな過去を持っていたら、どんな言葉を掛けたらいいだろう。

 ハオさんとの出会いを機に、遺族感情の複雑さについて考えるようになった。その他いくつかの事件の遺族にも取材を重ねた。あれから6年が経つが、その問いに対する答えは未だに見つかっていない。そもそも正解なんてないだろう。ただ、決めていることがひとつだけある。

「お気持ちはわ

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アンナ・ツィマ「東京塔」ニホンブンガクシ 日本文学私 #4

アンナ・ツィマ「東京塔」ニホンブンガクシ 日本文学私 #4

ここは昭和?

 私は東京タワーを一度だけ見物したことがある。それは2010年の7月、初めて来日した頃だった。東京スカイツリーはまだ竣工しておらず、どんなガイドブックにも東京タワーしか載っていなかった。17歳の私は、テレビ放送や高層ビルの建設などに大した関心を持っていなかったが、東京を高いところから展望したいという気持ちはあった。友達がガイドブックで「境を越える〈東京の象徴〉」として紹介されていた

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