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清水純一さん「19歳で読書と出会い直すまで」ルポ 読書百景 #2
読売新聞の論説委員を務める清水純一さんは、朝刊一面の名物コラム「編集手帳」の執筆者である。約460文字のスペースで社会事象を鮮やかに評することもあれば、蔵書から抜き出した箴言を世相に当てこむこともある。「読むこと」「書くこと」のプロである彼は、自身の若い頃を振り返るとき、「本がどうしても読めない」というコンプレックスを抱えていた時期があったという。
「本だけではなくて、若い頃には文字を読むのに、
編集日誌 #4 装丁家は読む
昨日、ついに鈴木成一さんの「装丁の学校」(本屋 B&B)が開講されました。初回から”超実践”です。前置きの概論はそこそこに、課題として事前に渡したゲラについて受講生が現時点の装丁イメージを発表、それに対して鈴木さんが個別にコメントを出していきました。両者の緊張感漂うやりとりは、後日、お届けする連載「鈴木成一と本を作る」にて、詳細を紹介します。
ところで、装丁家はどのように本のデザインを決める
アンナ・ツィマ「アフター読」 ニホンブンガクシ 日本文学私 #2
再読で〈読み返る〉
初読は二度と繰り返せない。それゆえ自分が好きな本をまだ読んでいない相手が羨ましい。今読んでいる本を終わらせたくないと感じたりもする。
初読は冒険的だ。一方で私は〈再読〉も魅力的だと思う。久しぶりに小説を読み返すとき、頭の中に浮かんでくるのは小説の登場人物やスト―リーの出来事ではなく、昔の自分に他ならない。初めて読んだ頃の気持ちやムードは勿論のこと、文学に全く無関係な
編集日誌 #3 情熱と執念
装丁家・鈴木成一さんが”本気”で後進を指導する「装丁の学校」、そのプレイベントとなるトークショーが去る6月13日、本屋B &Bにて開かれました。
良い装丁とは何か。鈴木成一さんや、同じく著名なブックデザイナーの水戸部功さん、albireoさん(西村真紀子さん・草苅睦子さん)が実際に本を手にしながら、各々の装丁論を披露しあう濃密な時間でした。
終盤のQ&Aでは参加者から、装丁家が編集者に