鈴木成一と本をつくる#2 「デザイナーには勇気も人徳も必要である」
くちびるを固く結びながら「このデザインは買うに値するのか?」
「イラストとタイポ(グラフィ)が殺し合ってるよ」
「これじゃ、わけがわからないと思うな」
受講生たちの装丁案が次々と講評されていく。その批評は端的で鋭い。前回授業から2週間、受講生たちが愚直に課題作品『誘拐ジャパン』(横関大・著)と向き合い、練り上げられたデザイン案が丸裸にされていく。その光景に、取材者の私までたじろいでしまう。もしもライターで生業をたてる自分の文章が、大勢の前でこんなふうに評されたら・・・・・