鈴木成一と本をつくる#1「装丁において繰り返し使える方法はない」
かたちある本の魅力と可能性 継承が難しい時代だ。
日々猛スピードで技術が更新されていく現代、プロフェッショナルの技と経験を、次世代に引き継いでいくにはどうすればいいのか。そもそも引き継いだところで未来でも役立つのか。心もとない。
継承の問題には、出版業界も悩まされている。この業界は極めて属人的な営みで成り立っている。ブックデザインや製本の現場においても、もちろん基本的なノウハウは共有されているが、ひとつひとつの本を作る過程に再現性はない。かつては、独自の技やノウハウも