マガジンのカバー画像

連載

20
エッセイやノンフィクションなど、連載作品をまとめました。ここに収録された作品は、いずれ単行本として出版する予定です。
運営しているクリエイター

2024年7月の記事一覧

鈴木成一と本をつくる#3 「感性を磨け。自分が喜ぶものに触れよ」

イラストとタイポが殺し合わないために  梅雨の湿気と連日の猛暑にうんざりな7月上旬だったが…

読書百景
2か月前
25

鈴木成一と本をつくる#2 「デザイナーには勇気も人徳も必要である」

くちびるを固く結びながら「このデザインは買うに値するのか?」 「イラストとタイポ(グラフ…

読書百景
2か月前
27

今村剛朗(救急医)×パレスチナ・ヨルダン川西岸地区「医療妨害は本当に起きていた」…

救えない命はある  研究や公衆衛生を含め、医師として様々な顔を持つ今村だが、臨床において…

読書百景
2か月前
13

今村剛朗(救急医)×パレスチナ・ヨルダン川西岸地区「医療妨害は本当に起きていた」…

水を打ったような静けさ  2024年4月26日、大阪市中央公会堂の大会議室は満席だった。救急医…

読書百景
2か月前
21

アンナ・ツィマ「迷い姫」 ニホンブンガクシ 日本文学私 #3

ベルリンの朗読会  私のデビュー作、『シブヤで目覚めて』の最初の翻訳はドイツ語版だった。…

読書百景
2か月前
20

水谷竹秀「旅館をはじめる」 叫び リンちゃん殺害事件の遺族を追って #2

賠償金が支払われず  古びた事務所の奥に、ポストカードサイズの写真が立て掛けられていた。…

読書百景
2か月前
17

鈴木成一と本をつくる#1「装丁において繰り返し使える方法はない」

かたちある本の魅力と可能性 継承が難しい時代だ。  日々猛スピードで技術が更新されていく現代、プロフェッショナルの技と経験を、次世代に引き継いでいくにはどうすればいいのか。そもそも引き継いだところで未来でも役立つのか。心もとない。  継承の問題には、出版業界も悩まされている。この業界は極めて属人的な営みで成り立っている。ブックデザインや製本の現場においても、もちろん基本的なノウハウは共有されているが、ひとつひとつの本を作る過程に再現性はない。かつては、独自の技やノウハウも